INTRODUCTION

“愛”に呪われた男の物語


 ミュージカル『ドン・ジュアン』は、モリエールの戯曲、またモーツァルト作のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」などで、ヨーロッパを中心に広く知られる“ドン・ジュアン伝説”を、フェリックス・グレイ作曲による情熱溢れる名曲でミュージカル化した作品です。2004年にカナダで初演され、その後パリや韓国でも上演。フレンチミュージカルとして大好評を博し、2016年に宝塚歌劇で日本初上演された際も、大きな話題を呼びました。

 物語の舞台は、スペイン・セビリア。主役は女と酒、そして快楽を求め続け、数多の女達を魅了するセクシーな色男、ドン・ジュアン。藤ヶ谷太輔が主人公のドン・ジュアンを演じる今作では、ドン・ジュアンと彼を取り囲む女たち、また厳格な父親との関係性について、より豊かにイマジネーションを膨らませ、意欲的なアップデートとブラッシュアップをほどこし新たな“ドン・ジュアン”を軸に作品を作り上げます。

 潤色・演出を手がけるのは、生田大和。宝塚歌劇団で2014年「ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛―」で宝塚大劇場デビューを果たし、以来、「ドン・ジュアン」、「ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」、「CASANOVA」などを演出。物語の世界を大胆に演出しながら、登場人物の心の機微を細やかに汲み取り描き出す手腕に高い評価を集める、注目の演出家です。


ドン・ジュアンを取り巻くキャストに、魅力的な実力派が集結!


 ドン・ジュアンと一瞬にして恋に落ちるヒロイン・マリア役に、蓮佛美沙子。理知的な女性であると同時に優れた感性を持つ芸術家でもあり、婚約者がいるにも関わらず本能的にドン・ジュアンと強く惹かれ合う女性を演じます。

 ドン・ジュアンに初めて嫉妬心を覚えさせるきっかけとなる人物、マリアの婚約者・ラファエルを演じるのは、平間壮一。語り部的な役割も担うドン・ジュアンの親友・カルロを演じるのは、上口耕平。友人として憤り、改心させようともし、愛想を尽かし、そして見守り続けるという、物語中の誰よりも情に篤い男で、ドン・ジュアンとは光と影のような関係にあります。マリアとは正反対に、古典的な娘・エルヴィラ役には、今作が初舞台となる恒松祐里が抜擢されました。妻に娶るとドン・ジュアンに誘惑され修道院から出てきたエルヴィラは、愛とそれゆえに募る憎しみ、そして執念の狭間で揺れ動く心情が演じどころの難役です。

 娘をドン・ジュアンに寝取られ、決闘の上命を奪われる騎士団長役に、吉野圭吾。亡霊としてドン・ジュアンの前に姿を現し、つきまとい、呪いの言葉を囁きます。ドン・ジュアンを囲む女のひとり“アンダルシアの美女”に、元ハンブルクバレエ団ソリストで、振付師としても様々な作品を手がける大石裕香。ドン・ジュアンのかつての女であり、今は彼を見守る年上の女性・イザベル役は、元宝塚歌劇団花組トップスターである春野寿美礼が演じます。

 そして、ドン・ジュアンの父であるドン・ルイ・テノリオ役を演じるのは、鶴見辰吾。息子の放蕩ぶりに胸を痛めながらも止める手立ては持てず、また父親としての愛に満ちている反面、厳格であり、父権主義的なエゴイズムも内在する人物です。

 ミュージカル界に新たな風を吹きこむフレッシュなキャストから、確かな実力と存在感で作品をより重厚なものとするベテランまで多彩な面々が集結して創り上げる愛の物語に、どうぞご期待ください。

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